家電量販店の店員モンブランが最新の炊飯器のおすすめ2020を紹介。店頭でお客様に聞かれることやお伝えすることを解説していこう。
2020年モデルは美味しく特徴のある機種が勢揃い。サイズ別にランキングにしたので参考にされば。
一人暮らし用3合炊き炊飯器おすすめランキング
①バルミュータ (BALMUDA) BALMUDA The Gohan K03A
BALMUDA The Gohanの釜は、特殊な二重構造になっている。
お米の芯にまで熱をしっかり伝える特別な温度制御の効果もあり、張りがありながら、ふっくらとした美味しいご飯に炊き上げられるようになっている。
食べるたびに、おいしさがにじみ出てくるご飯ができるのだ。
しかも、炊飯器のデザインはシンプルで、しかもレトロな可愛さを持っているのが特徴だ。
②象印(ZOJIRUSHI) 圧力IH炊飯器 極め炊き NP-RZ05
内側をプラチナでコーティングしたプラチナ厚釜を採用し、ご飯の甘み成分をしっかりと取り出し、美味しく炊ける炊飯器だ。
厚釜はは3年保証で安心だ。圧力炊飯器だが価格はお買い得で店頭では人気のモデルだ。
”すしめし””しゃっきり””ふつう””もちもち”の4通りの炊きわけができる。
30時間保温できる”うるつや保温””高め保温”機能が搭載されている。
③パナソニック(Panasonic) Wおどり炊き 小容量タイプ SR-JW058
外対流と内対流を0.04秒ごとに切り替えるIH切り替え、加圧と減圧を繰り返す加圧減圧の2通りのおどり炊き(”Wおどり炊き”)により、お米をおどらせて、もちもちした食感と甘みにあふれたご飯に仕上げてくれるぞ。
釜は、ダイヤモンドでコーティングされたアルミとステンレスの合金である。4段のIHによる発熱機能と合わせて、丈夫で軽く、大火力でお米を包み込むのが特徴だ。
2万回使用しても塗装が剥がれることはない。
お米の銘柄(6種類)に合わせたプログラムでおいしく炊き上げる。
”おこわコース”や”よりやわらかごはんコース”などいろいろな炊飯コースがプログラムされている。
④タイガー(Tiger) 土鍋圧力IH炊飯ジャー 炊きたて JPJ-G060
土鍋ならではのおこげが堪能できる最高の1品。これは実際に食べてみたが多確かに美味しかった!
土鍋の蓄熱性を生かしてかまどのような炊き上がりで甘味がしっかりと出ているモデルだ。
0.5合から炊飯ができるのでひとり暮らしの人やご飯に強いこだわりがある人には絶対におすすめしたい。価格はそこそこするがそれでも売れているの安心していただきたい。
⑤日立(HITACHI) おひつ御膳 RZ-BS2M
おひつ御膳は、おひつ部分だけ取り外すことができる炊飯器である。
おひつだけを運んで、炊き上がったアツアツの状態でご飯を食卓テーブルに運ぶことができるのが利点である。このおひつは、全周断熱構造になっているので、およそ2時間は取り外しても65℃の温度が保たれる仕組みになっている。
内釜は、打込鉄でできているのだが、410gと大変軽く仕上げてある。しかも、6年もの保証がついたカーボンフッ素加工がしてある。
炊き込みご飯やおかゆに加え、雑穀米や玄米、おこわやお赤飯も炊けるモードが備わっている。
操作パネルは使いやすくデザインされているで、使い勝手も便利である。
ファミリー用5.5合炊き炊飯器おすすめランキング
①三菱電機(Mitsubishi Electronic) 蒸気レスIH炊飯器 NJ-XSC10J
水冷式の蒸気回収システムにより、蒸気を密封して閉じ込めるようになっている。
蒸気が出てこないので、安全だし、においも生じにくい。蒸気レスが欲しいお客様が結構多いのでよくおすすめする機種だ。
5層構造の金属釜を3層のチタンハードコート、2層の備長炭コートで覆うことで、大火力を実現した”炭炊釜”となっている。
”胴周り炭コート”によって、遠赤外線を効率的に放射し、お米の芯にまで熱を伝えられるようになっている。
”芳醇炊き”や”季節炊きモード”など、炊きわけモードの種類がとても多い。
釜底トリプルリンクIH、胴周りトリプルヒーター、ふたヒーターによる七重のヒーターで、内釜全体を加熱して、お米全体に熱を伝える構造になっている。
②象印 圧力IH炊飯器 炎舞炊き NW-LB10
釜の外側を鉄でコーティングした”鉄器コート豪熱羽釜”を採用し、発熱効率を高めている。
蒸気口セットがない二重内ぶた構造なので、内釜、内ぶた(2枚)の3点だけ洗えばよく、フラットトップパネル、フラットフレームを採用しているので、お手入れも簡単だ。
全部で121通りの炊き分け機能があるのは驚きだ。これだけ数があればどんな人にでも対応できる炊飯ができるので安心だ。
40時間の保温機能”極め保温””高め保温”機能が搭載されているし、においを取り除く”クリーニング”機能もついている。
③パナソニック(Panasonic) スチーム&可変圧力 IHジャー炊飯器 SR-VSX101
大火力おどり炊きと可変圧力おどり炊きを組み合わせた”Wおどり炊き”でお米を激しくおどらせて、一粒一粒に熱を均一に届け、甘い味ともちもちした食感のふっくらした美味しいご飯に炊き上げるのだ。
”220℃ IHスチーム”機能により、加熱した水蒸気を噴射し、内釜のお米を加熱、スチームも組み合わせて、お米の芯にまで熱を浸透させるぞ。
高速コースがさらに進化した”スチーム高速コース”により、高速炊飯でもお米の中までもっちりとした食感に仕上げる。
新開発の”加圧追い炊きプラス”により、お米の芯までしっかりと加圧し、なんとご飯の表面のハリを保ちつつ、10%も大きく炊き上げられるようになった。
内釜には、ダイヤモンドでコーティングした”ダイヤモンド竃釜”が採用されており、内釜を包み込むように配置した6段にも及ぶIHによる熱と合わせて、高温でしっかりと満遍なく加熱してくれるのだ。
これ、実際に食べたが確かに美味い。これ買って後悔する人はいないはず。
④タイガー(Tiger) 圧力IH炊飯ジャー 炊きたて JPH-J100
土鍋・遠赤効果・泡立ち、これらが合わさって生まれるお米の甘味は本当に素晴らしい機種だ。
デザインがすごくおしゃれなのでお客様からも注目されるが個人的にはスチームが出てくる場所が本体内蔵になっているので外観がとにかくスッキリとした設計になっているのが面白い。
味は保証されているので購入して失敗したなんてことはありえないだろう。
そして以前とは違い、麦飯や玄米の味が格段に美味しくなっているので興味のあるかはぜひチェックしておこう。
⑤日立(HITACHI) ふっくら御膳 RZ-W100EM
日立が独自開発した”圧力スチーム炊き”仕様の炊飯器である。
内釜は、厚さ3mmの熱伝導性に優れた打込鉄製だが、720gという軽量に仕上げてある。施されているカーボンフッ素コーティングは、6年もの保証がついているから安心だ。
圧力とスチームの働きで、1膳という少ない量であってもおいしく炊き上げられるようになっている。
しかも、炊飯中に蒸気がほとんど出ない蒸気カットタイプなので、置き場所にも困らないし、安全性も高い。
そのほか、スチーム保温は40時間まで対応しているし、お手入れもしやすく作られている。
なかなか便利な炊飯器である。
大家族大容量1升炊き炊飯器おすすめランキング
①象印(ZOJIRUSHI) 圧力IH炊飯ジャー 極め炊き NP-BL18
内釜に”鉄器コートプラチナ厚釜”を採用している。お米が持っている甘み成分を高め、美味しく炊き上げるのが特徴だ。
”大火力沸とう”によって、お米の一粒一粒を均等に加熱するし、81通りもの”わが家炊き”メニューが備わっているので、ふっくら美味しく、そして家庭ごとの好みに合わせた炊き方ができるようになっている。
お手入れもしやすいように、”蒸気口セットなし”の二重内ぶた構造、フラットトップパネル、フラットフレーム構造になっている。
保温時間は最長で40時間の”極め保温””高め保温”が採用されている。
においを取り除く”クリーニング”機能も備わっているぞ。
②パナソニック(Panasonic) スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 SR-VSX181
パナソニックのSR-VSX101の1升サイズ版と思っていいだろう。1合から1升まで幅広く炊き上げられる。
もちろん、”加圧追い炊きプラス”や”スチーム高速コース”、”玄米高速コース”、”銘柄炊きわけコンシェルジュ”機能も備えているぞ。
③アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) 銘柄炊きジャー炊飯器 RC-MC10-B
上下ヒーター合計1400Wに及ぶ大火力を備えた”Wヒーター”で、一気にムラなく包み込むように”極厚火釜”を加熱するぞ。そのために、ムラなくふっくらしたご飯になるのだ。
31銘柄におよぶお米の品種に合わせたメニューを搭載しているので、お米の銘柄に応じた美味しいご飯を提供してくれるぞ。
”炊き込みコース”や”おかゆコース”などいろいろな炊飯コースが搭載されている。
大きく押しやすいボタン、見えやすい液晶画面で、とても操作しやすくなっている。
④タイガー(Tiger) 圧力IH炊飯ジャー 炊きたて JPI-H180
内釜は、”土鍋蓄熱コーティング”された”5層遠赤特厚釜”が採用されており、ご飯を一粒一粒まで美味しく炊き上げられるようになっている。
大小2種類の圧力ボールで制御された”可変W圧力”によって、炊き上げ時の高気圧(1.25気圧)と蒸らし時の減気圧(1.05気圧)で、ご飯粒のベタつきを抑え、おいしく仕上げるようになっている。
1合が17分ほどで炊き上がる”少量高速メニュー”や冷凍用のご飯を美味しく炊き上げる”冷凍ご飯メニュー”が搭載されているのでとても便利である。
ディスプレイは、ホワイトの液晶なので見やすいぞ。
⑤三菱電機(Mitsubishi Electronic) 備長炭炊釜 NJ-VVC18
内釜は、2層の厚釜を”備長炭”でコーティングしたもので、なかなかの大火力を実現している。
備長炭の力で、ふっくらした美味しいご飯に炊き上げるようになっている。
また、胴回りには、炭コートが施されており、遠赤外線を効果的に放射するため、お米の芯にまで熱が伝わり、しっかりと炊き上げられる仕組み。
お米には、超音波振動が加えられ、この振動の効果でお米の吸水性を高めて炊き上げるので、冷めても美味しい。
熱源は、釜底トリプルリングIH、胴回りトリプルヒーター、ふたヒーターの”七重全面加熱”システムによって、高い火力、連続沸騰を実現している。
また、かまどのような自然な圧力に調整することで、お米の保水膜を保ち、お米の美味しさが逃げないようにしている。
”芳醇炊き”や”玄米”モードなど、いろいろな炊飯モードがついているのでとても便利である。
美味しい炊飯器の選び方のポイント
家電量販店の店先には、さまざまなメーカーから多種多様な炊飯器が発売されている。どれにしようか迷ってしまうという方も多いことだろう。
そこで、ご飯が美味しい炊飯器を選ぶためのポイントを紹介する。
炊飯方式
炊飯器の炊飯方式、つまりお米の加熱方式は、3タイプに分けられる。
マイコン式
マイコン式は、底面にヒーターが備え付けられているタイプの炊飯器である。
底面からの加熱しかできないので、保温性能はそれほど良くなく、炊き上げたご飯は固くなりがちである。もっとも、固めのご飯が好きという方には、マイコン式はこの上なく喜ばれるだろう。
しかしながら、マイコン式は本体価格が安いので、コスト重視の方に適した炊飯方式と言える。
IH式
IH式は、電磁力を使って加熱するタイプの炊飯器である。
マイコン式が底面からのみの加熱だったのに対し、IH式は側面からもご飯を炊くことができるようになっている。
このために、内釜全体にムラなく熱を伝えられるようになった上に、マイコン式よりも保温機能が向上している。
炊き上がったご飯は、ふっくらとした感じに仕上がるので、より美味しく食べることができるのも、IH式の利点である。
圧力IH式
圧力IH式は、IH式に圧力炊飯を組み合わせたタイプの炊飯器である。
圧力炊飯の利点は、圧力を加えることで、沸点を高くして短時間でしっかりと炊き上げるところにあり、底面と側面からのみ加熱するIH式と比べて、上面からも加熱できるので炊飯効率が高められている。
圧力IH式では、お米の芯にまで水分が十分浸透するので、炊いたご飯が冷めてももちもち感が失われにくい。さらに、機種によっては玄米までも柔らかく炊き上げることができるようになっている。
コスト面では、やはり3方式の中で最も高価な炊飯方式となる。
本体サイズ|1升、5.5合、3合
炊飯器のサイズは、一般家庭用でみてみると3合・5.5合・1升の3種類が市販されている。
炊飯器のサイズは、家族の人数に合わせて選ぶといいだろう。
3合
3合は、1人暮らし〜夫婦2人くらいの家庭に適したサイズである。
とは言いつつも、3合はお茶碗で10杯くらいの量になるので、1人で1食に3合分もご飯を食べきれるという人はそうそういないだろう。もしかしたら1日3食ご飯を食べても残るかもしれない。
なので3合炊いて余った時は、少しずつ小分けにして冷凍しておくことをおすすめする。そうすると朝の忙しい時間帯や、夜遅く帰宅した時に改めてご飯を炊く必要がなくなるからだ。
5.5合
4〜5人家族のご家庭にピッタリなサイズが5.5合である。
ただし、食べ盛りの子供さんがいるようなご家庭なら、少し足りないかもしれないが。
1升
ご存知かもしれないが、1升は10合に相当するサイズである。これは、お茶碗にして30杯以上になるサイズなので、なかなかの容量であることがわかってもらえるだろう。
これほどの大きなサイズが適しているのは、5人以上の大家族である。
もし、4人家族でも朝食のご飯とお昼のお弁当のご飯を同時にたきあげようというご家庭、育ち盛り食べ盛りのお子さんが2人以上いるご家庭なら、1升サイズの炊飯器を購入している方がいいだろう。
内釜のメーカー別の違いを比較
炊飯器の内釜は、お米に熱をしっかりと伝えるためのカギとも言え、なかなか重要な役割を担ってる。
素材の違いでは『炭』『銅』『鉄』『土鍋』の4種類に分けられ、構造の違いでは『真空釜』『厚釜』『多層釜』の3種類ある。
まずは、内釜の素材の差による性能の違いをみてみよう
炭
炭は、三菱電機が採用している内釜素材である。
炭素素材99.9%という高純度の炭を掘り出して作ることで、内釜自体が発熱体となり、お米を焚きあげるようになっている。
遠赤外線効果も高く、お米の芯にまで熱がしっかりと届けられるのが特徴だ。
ただし、炭という素材が持つ衝撃に弱いという性質により、落とすと割れてしまうことがあるので注意が必要である。
三菱電機の本炭窯は、職人がひとつひとつ仕上げてあり、それぞれにシリアルナンバーがつけられているほどの自信作となっている。
銅
パナソニックの普及機種に使われているのが、銅の内釜である。
銅は熱伝導性に優れた素材なのだが、後述するクラッド材よりはお米の芯にまで熱を伝える性能に劣ってしまう。
その反面、コスト面で有利なので、パナソニックでは普及機種の内釜に使っているのだ。
鉄
日立や東芝、象印が採用しているのが鉄製の内釜である。
象印のプレミアム仕様の炊飯器に至っては、南部鉄器を採用している。ムラなくお米を炊き上げるので、人気が高い。
鉄釜は熱伝導性に優れ発熱性が高いのが特徴である。
この発熱性を生かすため、蓄熱性や断熱性を高くした内釜も開発されている。
その反面、かなり重たいのが難点である。
土鍋
タイガーの炊飯器の内釜に採用されているのが土鍋である。
土鍋は、蓄熱性に加え、遠赤外線効果が高いのが特徴だ。
お米の芯にまでゆっくりと熱を伝え、そして冷めにくくする効果があるのが利点の素材だ。
その他
パナソニックの上級機種に使われているクラッド材という素材がある。
これは、ステンレスとアルミニウムを使った内釜だ。この表面をダイヤモンドでコーティングしている。
鉄でもなく、銅でもない、パナソニックが独自開発したこの素材は、IH式や圧力IH式の性能を生かせる優れた素材ということである。
内釜の構造の違いを比較
次に、内釜の構造の違いを紹介しよう。
真空釜
内釜の内部に真空層が組み込まれたタイプである。
まさしく魔法瓶と同じような構造なので、蓄熱性が高く、しかもお米の熱を内釜に奪われることもないので、熱効率が非常に高い。
真空なので内釜そのものも軽く作られているのも特徴のひとつである。
厚釜
文字通り、厚釜は、内釜を分厚く作った釜である。
内釜の厚みを厚くすることで、蓄熱性を高めている。まるで、お米を熱で包み込むように炊き上げられるのが特徴である。
多層釜
IH式や圧力IH式によく使われているのが多層釜である。
多層釜は、金・銀・銅・ダイヤモンドなどの熱伝導性に優れた素材を幾層も重ね合わせて作られている。
いろいろな素材の特徴を利用した熱伝導性の違いを生かし、強い火力をお米にしっかりと伝えられるようになっている。
使っている素材や重ねた層の数は、メーカーごとに異なっており、それぞれが独自の特色を出しているぞ。
保温時間
炊飯器の保温時間は、一般的には12~24時間、つまり1日程度である。
ところが、最近では保温機能に優れた炊飯器が発売されるようになった。
普通に保温しているだけだと、4〜5時間もすれば、お米から水分が奪われてしまい、乾燥したり黄ばみが生じたりしてしまう。結果、おいしくなくなってしまうわけだ。
そこで保温機能に優れた炊飯器では、長時間美味しい状態を保ちながらご飯を保温するために、ご飯に含まれる水分量の減少を防止し、味が劣化しないようにするための機能が備わっている。
それが、『スチーム保温機能』と『真空保温機能』などである。
スチーム保温機能
スチーム保温機能は、パナソニックや日立の炊飯器が備えている保温機能である。
炊いたご飯に、6時間程度の間隔で、定期的にスチームを送り込むことで、ご飯に含まれる水分量の減少を抑える仕組みである。
内釜全体の水分量も増えるので、常にスチームを送り込み続けなくても、ご飯の水分量を保つことができる。スチームの数時間おきの追加によって、ご飯のパサつきを防ぐのがスチーム保温機能である。
真空保温機能
真空保温機能は、東芝の炊飯器に採用されている長時間保温機能である。
これは、炊飯器内部から空気を排出して、ご飯の酸化を防ぐ仕組みである。
ご飯からの水分の蒸発を抑える効果もあり、最大で40時間ほどにも及ぶ保温が可能となっている。
高め保温機能
象印が採用しているのが、保温温度を少し高める高め保温機能である。
内蓋やなべの温度を適切にコントロールして保温温度を少し高めの73℃にすることで、ご飯のにおいや変色、乾燥を抑える仕組みだ。
象印の極め保温モードであれば、最大で40時間までの保温が可能である。
お米以外の調理
炊飯器にはマイコン式・IH式・圧力IH式の3種類あることは前述した通りである。
いずれの方式も、お米を水に浸す、蒸らす、保温する、そして調理の各段階で適切な温度に自動的に調節する機能が備わっている。
しかも、圧力IH式であれば、圧力鍋と同じように、加圧する機能もついている。
こうした炊飯器の仕組みは、”お米を炊く”という炊飯器の基本機能以外にも応用が効くのだ。
玄米
最近の炊飯器の多くは、精白米だけでなく玄米を簡単においしく炊ける玄米モードが搭載されるようになっている。
玄米を精白米と同じように炊いても、食感や味が異なり、慣れないという方が多い。
これは、玄米が精白米よりも吸水しにくい、表皮が硬くなりやすいという性質に原因がある。
そこで玄米モードでは、より高い圧力、高い温度で炊くことで、水分をしっかりしみ込ませ、そして表面も柔らかくするのだ。
こうして玄米の食感や味を精白米に近づけて食べやすくしている。
赤飯
炊飯器を使えば、お赤飯も簡単に作ることができる。
まず、小豆を水洗いし、一煮立ちさせる。茹で汁を捨てたら、水をまた入れて30分ほど弱火で茹でる。この茹で汁は、お赤飯を炊くために使うので捨ててはならない。
もち米とうるち米を一緒に洗って20分ほど置いておく。
炊飯器にお米と先ほどの茹で汁、そして塩を入れて、軽くかき混ぜる。
そして小豆を入れて炊飯スイッチを入れれば、出来上がりである。
ゆで卵
ゆで卵は、炊飯器の保温機能を利用すれば簡単に作れる。
1合につき1個程度の卵が適している。5.5合サイズの炊飯器だと5個程度ということになる。欲張って入れすぎると割れることがあるので注意しよう。
作り方は、炊飯器に卵と水を入れて、保温ボタンを押すだけだ。
およそ2〜3時間ほどでゆで玉子の出来上がりとなる。
もし、半熟卵が良ければ、少し短めの1時間30分〜2時間くらい、温泉卵ならさらに短く1〜1時間15分くらいでできるぞ。
パエリア
パエリアは、スペインのバレンシア地方で誕生したお米と野菜、お肉、魚介類を一緒にスープに炊き込むお料理である。
パエリアのように海外で生まれたお料理も炊飯器を使えば簡単にできる。
ムール貝やアサリ貝を蒸して煮汁を取り出す。これに野菜やお肉を加え、火を通したのち、塩胡椒で味付けして炊飯器に入れる。
お米も加え、あとはスイッチを入れて炊き上げるだけだ。
サムゲタン
韓国のサムゲダンも炊飯器があれば簡単に作ることができる。
まず、炊飯器に鶏の手羽元を6本入れよう。手羽元でなくても、ムネ肉でもいいぞ。そして、お米を入れる。量は1/4合程度で十分である。
次に、ネギやニンニク、料理酒、塩、味覇、水を入れて、スイッチを押すだけ。
これで、サムゲダンの出来上がりだ。
このように炊飯器が一つあれば、なかなか簡単に料理できるのだ。
これ以外にも煮物やカステラ、ケーキ、ピラフ、ホットケーキ、プリン、肉じゃがなども作ることができる。圧力鍋に近い調理ができるのも面白く注目されている。
最新の炊飯器の美味しい炊き方
最新の炊飯器の性能を引き出し、美味しくご飯を炊くためのポイントを紹介しよう。
①お米の量をきちんと量る
お米の量をきちんと量ることは、美味しいご飯への最初の一歩である。
量り方の基本は、カップすりきり一杯である。多くても少なくてもダメなのだ。
②お米を洗う
ボールに水を張り、量りとったお米を入れる。
逆だと、糠やごみを含んだ水をお米が吸い取ってしまいかねないので、先に水を蓄えよう。
そして、ボールとザルを交互に使って、お米を洗おう。
③お米をすすぐ
お米をすすぐときは、最初のすすぎ水は特に素早く捨てるようにしなければならない。
④洗米する
ボールに水を張り、手で優しくお米を洗おう。
指先を立てて、円を描くように洗うのがポイントである。
およそ10回くらいかきまわしたら水を入れ替えるペースで、これを3〜4回繰り返す。
終わったら、水切りしよう。
⑤内釜に入れる
洗ったお米を内釜に入れ、目分量に合うように水を入れよう。
少なくとも30分は水に浸した状態にしておくようにしてほしい。
⑥炊飯開始
炊飯器のスイッチを入れて、お米を炊こう。
⑦シャリ切り
炊き上がったら、蓋を開けて、しゃもじを垂直に入れ、十時に切る。
そして、釜の底から空気を入れるようにほぐしていこう。余分な蒸気を飛ばすために大切な工程なので、しっかりと行ってほしい。
ここまでが、ご飯を美味しく炊くコツである。手間暇をかければ、それだけお米はこたえてくれるので、美味しく食べるためにもぜひ取り組んでみてほしい。
まとめ
最近、炊飯器コーナーで若いお客様からライスクッカーでおすすめありますか?と聞かれることがたまにある。調べてみると炊飯器を英語で「rice cooker」ライスクッカーと呼ばれるそうだ。
1度も使ったことがない言葉だが今後、普及するかもしれない。
炊飯器はお米が主食の日本人なら、よく使用する家電。ほぼ毎日食べるなら、美味しい炊飯器がおすすめ。安いのが不味いというわけでも、高いから美味しいということではない。
みなさんのお米の好みを今一度思い出して近い機能がある炊飯器を選ぶというのもありだ。