ドラム式洗濯機といえばパナソニックがトップを走っていますが、最近は東芝もグングン伸びてきています!
じゃあ日立は?検討している人、必見です!
いらっしゃいませ、家電の虎です。
今日はドラム式洗濯機、日立のビッグドラムについてお話しをしていきたいと思います。
ドラム式洗濯機はここ数年結構な進化をしています。
その中で日立のドラム式は乾燥方式の違いなどがありニオイがキツイなどの残念なご意見が多かったのです。
ですが2021年以降からは改善したモデルが登場しましたけど、家電業界キングのパナソニックと比べてどうなのか?お伝えしていきます。
ドラム式洗濯機の立ち位置
今、家電量販店の洗濯機のコーナーに足を踏み入れると、全体の4分の一程の売り場スペースを埋め尽くして、メインの通路から一番最初に目に飛び込んでくるのドラム式洗濯機!というお店がほとんどではないでしょうか?
そしてその中でも最も見やすい場所に展示されていて、ドラム式の中でも「顔」となる我々販売員には共通語の「エンド」に展示展開されているのは、大抵のお店の場合「アクア」「シャープ」よりはどちらかというと「東芝」か「パナソニック」か「日立」をメインにしていることが多いはず。
これにはいくつか理由がありますが、大体の場合は“売れ筋上位”や“人気機種”だからというところが多いと思います。
実際に私の店舗では8月現在、日立とパナソニックのそれぞれ最上位モデルをこのエンドに展開をして各販売員に、「今この2機種が売れ筋上位だから販売するよ!」という共通認識を持って頂いております。
ただこの2機種、意外にも機能や評判、今の世の中いわゆる「口コミ」が違うのですが、それは同じドラム式洗濯乾燥機とは言っても、乾燥方式に違いがあるからなのです。
乾燥方式の違い
パナソニックのドラム式の乾燥方式は、今や東芝、シャープも搭載しております
「ヒートポンプ乾燥」に対して、日立はというと「ヒーター式乾燥」という方式での
乾燥となっております。
では、このヒートポンプとヒーター式にはどのような違いがあるかと言うと、
一般論では
- 電気代がヒーター式に比べてヒートポンプの方が省エネ
- ヒートポンプ乾燥の方が布いたみや縮みが少ない
- ヒーター式の乾燥後は中が高温になっているので、冷却水を注入
だいたいこの辺りがそれぞれの乾燥方式の違いとして挙げられる要素ではないでしょうか?
2022年現在の2つのメーカーのドラム式洗濯機の掲載されているカタログを見てみると、確かに洗濯乾燥時の消費電力量はパナソニック「890Wh」なのに対して、日立は「1590Wh」だということ。
さらに標準の運転時間に目を向けると、パナソニック「98分」に対して日立は「132分」とパナソニックのおよそ1.3倍もの運転時間を要しているのがわかりますね。
もう一つの違いの、乾燥後に冷却水を使用するに関しても標準使用水量で比較するとパナソニック「洗濯時83L、洗濯乾燥時55L(乾燥時0L)」に対して、日立は「洗濯時78L、洗濯乾燥時83L」も使用するということが読み取ることができますね。
なので簡単に言うと、パナソニックのドラム式に比べて日立のドラム式の方が、“運転時間が長くて電気代が高い。”挙句の果てには乾燥運転までした場合使用水量も多いという事実まで発覚してしまいましたね。
この洗濯乾燥時の使用水量に関しては、ヒートポンプを採用しております東芝、シャープよりも多いということもわかってしまいました。
ただ現在の日立ビッグドラムの掲載されているカタログの最初のページを開いてみると、一度は耳にしたことがあるかと思います「風アイロン」。
これは今の現行モデルにも根強く残っております。どのような機能かと言うと、「アイロンがけしていた服も、ふだん着も、シワを伸ばしてキレイに仕上げる」というのがコンセプトとあって時速300kmの高速風を吹きかけてシワを伸ばします。
そして、衣類を蒸らした状態で風を当てることで袖までシワがキレイに。また衣類温度65℃の低温乾燥でふんわりやさしく仕上げてくれます。
お出かけ前にアイロンがけの手間を省いてくれる便利機能で、ドラム内を高湿にし、シワを伸ばして、ニオイまで取り除いてくれます。
この日立ビッグドラムの風アイロンは今のモデルでも好評の機能とあって、今後も支持されていく機能でしょう。
実際に店頭で我々販売員がお客様に説明するときも、かなりの高確率で風アイロンの機能は説明する機会が多いですし、ノリの良いお客様だと「あ、じゃあアイロンがけいらなさそうだね。ズボラな私にピッタリの機能だわ!」なんて受けのいい反応も時々見られます。
日立のドラム式洗濯機を語る上で忘れてはいけないことがあります。
それは乾燥方式がヒーター式と述べましたが、正しくはヒーター式に戻しました!というのが正解です。
一体なにがどういうことなのか?と言うと、以前から日立のドラム式には「乾燥使用後、何かにおう」、「下水のようなニオイがする」などの問い合わせがかなりの件数が来たのを記憶しています。
これはたまたま自分ばかりに来る問い合わせなのかと同僚に言ってみたところ、「私も私も」と言ってくるではありませんか!!
どういうことか日立の担当営業さんに聞いてみたところ、以前まで販売されていた日立のドラム式の乾燥方式は「ヒートリサイクル」といった運転中に発生する熱を貯めておく場所があり、その熱を乾燥に再利用して電気代や乾燥後に使用する冷却水を使用しない省エネに直結する方式を採用していました。
簡単に言うとヒートリサイクルは、従来のヒーター式のデメリットであった省エネ性の悪さを改善させた方式でヒートポンプに近い電気代での乾燥を実現していましたが、
しかし、乾燥時に排水溝に向けて排気をするという独自の方式が原因でニオイの問題につながる場合もありました。
結局はそのリスクを低減させるためにヒーター式に戻したと言っておられましたが、ヒーター式と言われると高温で電気代が高く、衣類が縮んでしまうというイメージをお持ちではないかと思います。
ですがそこは、日立さんさすが!とも言うべきか、65℃の低温乾燥で衣類にもやさしく、ふんわり仕上げる乾燥を実現できました!との事でした。
なので2022年モデルからはニオイの問題は解決か?と思いきや、どうしても伝えておかなければならないのが公式のホームページに掲載されていました。
それは「快速洗乾コース」と呼ばれる標準コースよりも素早く乾燥まで終わらせるスピードコースが搭載されているのですが、それがどうやら以前までのヒートリサイクル方式に相当するような記載があり、ヒーター式は「水冷除湿方式」なのだが、ヒートリサイクルは「空冷式」であり、この空冷式が排水ホースから排気してニオイの元となるようです。
と、ここまでは日立さんが泣いてしまうのではないかと思えるほどの内容でしたが、おススメできないのか?と言われればそんなことはありませんよ!
日立のドラム式が向いている方
どんな方に日立のドラムが適しているかをご案内したいと思います。
日立の洗濯機は以前の機種から泥汚れやガンコな汚れに強く、自動で液体洗剤か粉末洗剤かを検知してくれて、大流量のナイアガラ洗浄と呼ばれる循環シャワーと、押して
たたいて、もみ洗うという洗い方で節水しながら洗い上げます。
さらにアトピーなどの皮膚炎の原因になると言われている洗剤のすすぎ残しを無くすために「ナイアガラすすぎ」と呼ばれるシャワーと高速回転により、繊維の奥まで徹底的にすすいでくれます。
そして、働く世のお父さんたちの味方!先ほどのナイアガラ洗浄の派生機能とも言うべき機能でしょうか。温水の力で、黄ばみをスッキリ落とし、ニオイも落としてくれる
「温水ナイアガラ洗浄」という機能。
これは高濃度の洗剤液を高速の温風で温めて洗剤の酵素パワーを引き出します。
ミスト状にして吹き付けながら循環させることで、衣類を40~50℃にスピーディーに温め黄ばみを落とし、ニオイも抑えてくれる優れものです。
日立のドラム式で他のメーカーにはない特徴のことが唯一あります。
それはラインナップに本体の奥行きの寸法が62㎝と容量が10キロを超える大容量タイプで一番薄型だということ。
これは他のメーカーには一切ない特徴で、横幅が60~62㎝ほどのスリム型がほとんどのラインナップだが、その分奥行きが72㎝くらいとなり置き場所によってはかなり出っ張り通路がせまくなって通ることが出来ないということからドラム式を購入することを断念してしまったという方はいるかと思います。
その点、日立のドラム式には一点物で薄型タイプがあり、そのサイズなら設置できるというお客様宅もありますよね?そういった住宅事情にはこの薄型しか搬入できないとなれば、選択の余地がなくドラム式を選ぶなら日立しかないと思います。
薄型タイプのメリットとしては、本体正面にすぐ壁なり動かせない家財道具が置いてある所では、ドラムの扉を開けてもスペースを確保できますし、ドラム内の奥行きが
32㎝に対してその他の横幅スリムタイプは39㎝なので、ドラムの奥行きが浅く衣類の出し入れがラクラク!といったいい点もあります。
2022年度モデルからは、日立にもタッチパネル搭載モデルが新発売されました。
まとめ
今までの機種は、洗剤と柔軟剤の自動投入機能搭載モデルがフラグシップでしたが、
東芝やパナソニックのようにタッチパネルで直感的に操作ができて機能を設定・確認できるアイコン一覧が一まとめになっていて迷うことなく目的のコースにたどり着くことができます。
ということで、ラインナップは
- タッチパネル搭載の自動投入。フラグシップモデル
- タッチパネル無しの自動投入
- 自動投入無し
- ナイアガラ洗浄・すすぎなし
- そして、唯一無二の薄型タイプ
の5つのラインナップです。
正直、パナソニック、東芝、シャープと色々なメーカーから色々なラインナップのドラム式が店頭にあり、同じグレード同士なら洗浄能力にはそこまでの差はないかと思います。
でも売れ筋なのは間違いないです。
ただしパナソニックが欲しくてもパナのドラムは指定価格商品なので、そのフラグシップ同士の価格差は2022年8月では9万円ほどの開きがあり、パナが欲しくても予算オーバーという声は少なからずありました。
そこで白羽の矢がたったのが日立で、性能にはこだわらないが自動投入の便利さを使ってみたいという方はぜひとも日立のドラムを購入に家電量販店に向かった方がいいと思います。
なぜなら日立のドラムはすでにモデルチェンジが進み、新規発注はできなくなっている量販店が多いはず。
更に、9月中旬頃には新型が導入されてくるというのも担当営業さんから聞いたので、展示品も一気になくなる可能性が非常に高いです。
新型の特徴としては容量アップで12キロとなり、面倒な手入れの乾燥フィルターがなくなり、トビラが透明になって洗濯槽内が外側から見やすくなったという点で、洗浄能力・使用水量などの仕様に関しては、ほぼほぼ変わらないとのことでした。
それで価格面で表示が10万円以上は上がるというのは、かなり家計を圧迫するのではないでしょうか?
口コミや実際に購入したお客様から聞いた声で多かったのは、やはりビッグドラムというだけあってその洗浄能力に定評がありました。
子供がスポーツをしていたり、洗濯物の量が多いと一般的なドラム式洗濯機は洗浄能力が少し落ちる傾向にありますが、ドラムの直径が長い日立は他のメーカーに比べても洗浄力がそこまで落ちることはない点。
やはり風アイロンで洗濯物がシワになったりせず、ハンカチやワイシャツもアイロンをかけなくてもまあまあ着ていけるくらいの仕上がりだという点。
そして以外にも運転音が静かで乾燥時にも決して風アイロンがうるさくて使うことができないとの声はほとんど聞いたことがないのがこの数年の日立のドラム式の流れでした。(確かに以前の風アイロン搭載機種は乾燥運転の音を気にする声がありました)
以上がパナソニックと日立のドラム式の比較となりますが決して日立をけなしたり、毛嫌いをしているわけではございません。
日立フリークの方には気分を害してしまうような内容も多かったかもしれません。
ただ個人的には良く販売をしている商品、メーカーであることに変わりはないと言う事は理解をしていただけたら幸いです。
これからの日立の製品にかつてのような輝きを取り戻してほしいのは言うまでもありません。